
「風のつぶやき」は、河原成美がお届けするコラムです。

春はあけぼの ようよう白くなりゆく山ぎわ‥‥ 桜が満開でございますなぁ。この号が出る頃には、とっくに葉桜となっておることでございましょう。
さて、あちこちで新人となられた皆さまへ、いえ、新人を超えた方にもお伝えしたい話があります。僕ね、この頃また一つ発見したんですよ。それは「心くばりの達人への道」です。
順を追ってご説明致しましょう。まずは「目遣い」から始めます。「目遣い」というのは、目を遣うこと。字そのままですみません。「目に見えるものをしっかりと見ていこう」という「接客サービス業心得 第一歩」とでも思ってください。大切なのは、この「しっかりと」です。新入社員さんが新しい職場に配属され、先輩の仕事をただ見るのは「見物」にしかすぎません。仕事を見物しとったんではあきまへんなぁ。「あれをこうしてこうやって、ははぁ、だからこっちへこうなるんだな」みたいにじっくりと観察する。そうやって、考えながら先輩の仕事を覚えていくんです。先輩もうかうかしてはおれません。自分の仕事を「目遣い」しながら観察する新人が入ってきたのですから。
そして「目遣い」が達者にできるようになりますと、次は「目働き」です。目を働かせるのですから、一ケ所を凝視するだけでは駄目。周囲の動きや関連性もしっかり観察してください。「目働き」ができたら、今度は「目くばり」ができるようになりましょう。「目くばり」とは、注意してあちらこちらに目を向けること。「観察」から「先読み」へと向かいます。誰かが大荷物を抱えていたら手伝ってあげたり、ドアを開けてあげたりする。そのレベルまで行けば「目くばり」ができたと言えましょう。
「目くばり」ができた人は、第2ステージへ。次は「氣遣い」です。氣を遣う、すなわち相手のためを思っていろいろ配慮することです。「氣」も「目」と同様に「氣遣い」に始まり、「氣働き」「氣くばり」と上がっていきます。僕の考えでは最初の「目」のステージが「職人」の域だとすれば、第2ステージの「氣」は「名人」の域。
「名人」が目指す領域は、第3ステージの「達人」領域です。
これは誰もがなれる域ではありません。頑張ったからと言って、そう一筋縄にいかないのが「達人」の世界。「達人」は己の心を操ることができる人。「心遣い」「心働き」「心くばり」と達人の中でもランクが上がっていきます。己の心の動きをかたちにして、周囲を和ませたり喜ばせたりできるのが、その道の達人だと僕は思っています。そして、達人の領域に達した人でさえ、まだ「目遣い」を怠ってはならない。しっかり見ないと、心に届いていかないのです。
そういう観点から考えると、千利休の「守破離」にも似ています。「壱を知り、拾を悟りて、還るその壱」と相通じるものがありますな。常に到達点はない。己に満足することなくいつでも新しいこと、難しいことに挑戦していくのが仕事の本質ですから。
僕らの力の源カンパニーにも「10の新しい風小僧」が仲間入りしました。今はまだ「目遣い」の段階を学んでいます。急いで「心くばり」を知る必要はありません。3年、5年、10年と月日を重ね、徐々に自分のステージを上げていけばいい。焦らず、しかし意識を集中して、自分なりの何かをつかんでほしいと思います。
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・第3ステージ |
心遣い |
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心働き |
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心くばり(達人) |
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↑ |
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・第2ステージ |
氣遣い |
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氣働き |
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氣くばり(名人) |
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・第1ステージ |
目遣い |
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目働き |
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目くばり(職人) |
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