
「風のつぶやき」は、河原成美がお届けするコラムです。

新年おめでとうございます。旧年中もたくさんの皆さまにご来店をいただきありがとうございました。本年も、変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
年末('05年12月27日)に、TBSテレビで放送された番組『麺王 史上最大のラーメン王座決定戦』はご覧いただけましたか?
一般消費者の方々によるインターネットの人気投票により「日本一うまいと思うラーメン店」が選ばれ、上位4軒のラーメ ン店主がラーメンをつくり、直接対決をするという番組です。投票総数は29,388票。一風堂もその4軒に選んでいただき、直接対決に臨みました。
会場となったのは横浜みなとみらい地区の赤レンガ広場。上位4軒には僕ら以外に 『中村屋』の中村栄利君、『麺屋 武蔵』の山田雄さん、『なんつッ亭』の古谷一郎 君が選ばれました。与えられた課題は、メバチマグロ、たらば蟹、霧島黒豚を使用したラーメンをつくること。もちろん4人が同じ条件で挑みます。これがけっこう難し
かったですね。それぞれ個性の強い三つの素材を使って、一杯の丼にまとめ上げるの ですから。材料の使い方を研究し、試作を重ね、まさに試行錯誤の末に完成した一杯 でした。
出来上がったラーメンは鶏白湯+おもゆのスープに、たらば蟹と蟹のほぐし身入り の茶碗蒸し、ヌーベ(板ゼラチンを溶かし泡立てた醤油成分をふわっと固めたも の)、マグロのづけ、黒豚チャーシューなどが乗り、華やかさがありました。九州の小麦を 使い、ややウェーブがかった太麺。切り立ての麺は歯ざわりも軽やかで、茶碗蒸しや
おもゆとの調和が感じられました。そうやって4名が持てる総力を発揮し、それぞれ の「一杯」を創作、目隠し審査(誰のラーメンかわからないように制作者をふせて審 査すること)を受けるのです。セコンドについてくれたスタッフの力をもらって、最後まで渾身の一杯を提供しました。
選ばれた一般審査員500名と、テレビ局が依頼したラーメン通や芸能人の方、そうそうたる6名で審査が行われます。結果発表までの緊張感。以前出場した『TVチャ ンピオン ラーメン職人王選手権』の3連覇の想いが、再びよみがえってくるようで した。
「優勝は一風堂・河原さん!」
その瞬間、込み上げたうれしさ。「ああ、本当に優勝したんだ。ありがとう。ありがとう。みんな、ありがとう」。ゲスト審査員6名のうち和食の料理人・道場六三郎 さんを含む5名の審査員が、僕たちのラーメンに票を投じてくださいました。女優の森光子さんからのコメント「最後まで飽きさせることのない、おいしいラーメンでし
た」も感慨深かった。森さんとボクサー・亀田興毅君の歳の差は66歳あるのですが、その両方が僕らのラーメンを「おいしい」と感じてくださったのです。ふだんから一 風堂スタッフに言っている「若い人から年輩の方にまで喜ばれるようなラーメンを出 していこう」が具現化された気がしました。
共に頑張ったスタッフと、応援に駆け付けてくれた仲間たち、そして僕らのラーメンに投票してくださった皆さん、決戦で全力を出し切って闘った3名のラーメン職人 さん‥‥、この場を借りて皆さんにお礼が言いたい。「みんな、ありがとう」
終わりよければすべてヨシ。2005年から2006年へ、21世紀も6年目が始ま りました。目先のことばかりで大局を見失わないよう、人生を楽しみながら元気にやっていきましょう。ありがとうございます。今年もヨロシクお願い致します。 |