
「風のつぶやき」は、河原成美がお届けするコラムです。

樹木の先に、育ち始めた若葉が美しいですね。まだ黄みどり色した葉っぱに「元気に大きくなれよ」と声をかけたくなります。
新緑を目に、父の言葉を思い出しました。男4人兄弟の僕らは、幼い頃によく父から「人間には無限の可能性がある。だから、どんなことにでも挑戦できるんだ」と聞かされていました。末っ子の僕の耳にも克明にインプットされ、大人になった今日もしっかり記憶に残っています。
しかし、ある日気が付いたんですね。「可能性は無限にあっても、その中から選ぶのは一つだけなんだ」と。
瞬間瞬間の連続で生きる一人の人間が、同じ時間にいくつものことをするのは不可能で、自分の前に拡がる可能性は無限にあったとしても、最終的に一つのことしか選択できないのだと。迷って答えが出せず、親や先輩、恩師などにアドバイスを受けることはできても、無限の可能性の中から何を選ぶか、最終的に決定するのは自分です。親から「お前にはこれがいい。これをしなさい」と勧められたとしても、それを了承したのであれば、それは自分が選んだことになると思ってください。
これは、僕が時々口にする「いくつものドアを開け続けよう」という話にも通じます。自分の前にいくつものドアがあって、どのドアを開けるか決めたら、ドアノブを回して進んで行く。ドアを開けた途端、そこが激しい嵐の真っ只中であろうが、泥沼に毒ヘビがうようよ、おどろおどろしい光景が広がっていようが、進まねばならない。ドアを開けてすぐ「ここはよくなかった」と、隣のドアに手をかけるようではいけない。開けたドアの先へ信念をもって進んで行き、何かをやり遂げた後には、またその先に次なる新たなドアノブが見つかるんです。
だから、やり続けなければならない。例えば仕事。「石の上にも3年」「3が物事の基準」というように、自分が選んだドアの向こうに広がる世界で、せめて3年は続けてほしい。最初の一年くらいは、繰り返しで面白くないかもしれない。だけど、基礎となるこの時期を飛ばしては結果に差が出るのです。「毎日同じことばかりでつまらない」「上司や先輩が厳しすぎる」「仕事がきつい」など、慣れないうちはいろいろ
感じるでしょう。でも、泣き言は言わないでね。2年、3年と続けていくうちに見えてくることがあるから。逆に言えば3年くらい続けてみないとわからない、確立できない、ってこと。
まずは考える(想う)こと。そして、決意したら行動を起こす。実行していく中で、もちろん数々の障害に出くわすでしょう。迷って立ち止まり、障害に潰されてしまうかもしれない。つまずいても、迷っても、自分の真ん中に自分を置いて、しっかり進んで行ってください。あなたの頑張っている姿は、周りの人の励みにもつながるから。
無限の可能性の中から自分の道を選んだら、迷わないで進んでいこうね。時には立ち止まることがあるかもしれないけど、決してあきらめないで。自分人生の主人公は自分だからね。
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