博多一風堂

一風堂の心

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一風堂の心

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こだわり
風のつぶやき
れんげ堂本舗

風のつぶやき

「風のつぶやき」は、河原成美がお届けするコラムです。

ありがとうございます。 いらっしゃいませ。vol.43

 とある夏の日、僕らは野球観戦に興じていました。ダイエー VS オリックス戦、人工芝の鮮やかなグリーンに、両チームの精鋭が気持ちよくプレイする姿。攻守の間にはホークスを応援する風船が上がり、「♪いざ行け 無敵の 若鷹軍〜団」「♪我ら〜の 我らの ダイエーホークス〜」と応援歌が流れ、人形が膨らんで立ち上がったり、勝利を祝う花火が上がったり…。ホークスを好きになってもらおうと、球団がいかにお客さま一人ひとりを大切にしているか、ひしひしと伝わってきました。
実はその少し前、一風堂 横浜ポルタ店を出店しているショッピングモールのアンケート結果にショックを受け、「真のサービスとは?」を何度も考え直していたため、ダイエー戦に余計に感じるものがあったのだと思います。

 アンケートの内容は5点方式で「接客について」「商品について」「提供時間について」など、いくつかの項目に答えていただく方式でした。その一つ、「笑顔について」の項目が、ナント2点! 「案内はテキパキできているが、笑顔が少ない」みたいなコメントをいただいたんです。ポルタ店と言えば、日に600人〜800人のお客さまをお迎えしている店ですから、スタッフも気が急いて、ゆとりある満面の笑顔でお迎えすることができなかったのかもしれません。それにしても、常日頃からあんなに言っている「お客さまを温かい笑顔と共にお迎えする」ということができていなかったなんて…。このさみしい結果に、何とか直していかなければと考えていた矢先でした。

 一風堂ではお客さまに対して、どんなサービスを心がけていくべきか?人形を膨らます、風船を飛ばす、花火を上げる…球場でのサービスをそのまま持ってきても当てはまりません。僕らは、きちんとした接客で、おいしいラーメンを食べていただこうと努めているけど、果たしてそれで足りているのか?それに「きちんと」とはどういうこと?
社員さん、アルバイトさん、パートさん、すべてのスタッフがお客さまに対して、温かい心持ちで接することができること。僕らの店に食べに来てくださったことに対して、感謝の気持ちを持って、やさしい対応ができること。そのためには、どうするか?
禅問答のように自分への問は続き、浮かんできたこと。それは、一風堂の店内に入ってきてくださったお客さまに、いきなり「いらっしゃいませ」と言うのではなく、頭に「ありがとうございます」を付けたらどうだろうか、と。
手始めに心の中で「ありがとうございます。いらっしゃいませ」と何度か言ってみました。次に、声に出して「ありがとうございます。いらっしゃいませ」と言ってみました。すると、とても穏やかな心持ちで「いらっしゃいませ」が言えるんです。それだけで表情が自然にやわらかくなり、自ずと笑顔になるんですね。

 通常は、お客さまがお帰りになる際、背中越しに言う「ありがとうございます」のお礼の言葉を、最初に述べる。たくさんある飲食店の中で「今日は一風堂でラーメンを食べよう」と、僕らの店を選んで来てくださった、そのこと自体が「有難い出来事」なはず。
「お客さまの目を見て、ありがとうを言おう」「僕らはありがとうをつくっている」「丼の中には、ありがとうが詰っている」「ありがとうの始まりはお母さん」「人は皆、ありがとうに始まり、ありがとうに還る」と散々ありがとうについて述べてきた河原ですが、「いらっしゃいませ」の前に「ありがとうございます」を付ける、こんな簡単なことに今まで気付かなかったなんて…。さっそく、北から南まで全25軒の一風堂で「ありがとうございます。いらしゃいませ」を言っていくことにしました。空元気に任せて大声で叫ぶのではなく、穏やかにやさしい声で、微笑みをたたえながら。

 たったこれだけのことですが、店長を筆頭に末端のスタッフに至るまで徹底させるとしたら、しかも一風堂全店を対象にしたら、浸透するまで軽く3年はかかるでしょう。しかし、これが「真心サービス」の「その1」なわけで、5年後、10年後には飲食業界の常識になっているかもしれません。「ありがとうございます」に続けて「いらっしゃいませ」と、ダブルのお礼でお客さまをお迎えする。そこに来てくださった方に「やっぱり、外で食事をするのは気持ちがいいね」と感じていただけるくらい、飲食店(ラーメン屋)のステージを高めていきたい。
これから一風堂および力の源カンパニーでは、スタッフ一同心を一つにして「真心サービス」に徹していくことを宣言します。以後、皆さまからのご指導を、宜しくお願い致します。


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